幸福な生活とは何か
ここ数か月、古書を読み返しています
この書籍は1994年に発刊されたもので現在は絶版になっていますが
今まで何度も読み返している良書です
アーユルヴェーダのような伝統的学問は原点回帰したくなるもの
何事も基本に返り、初心に戻ることができます
育児学???
私は母親ではないし、ましてや妊産婦でもありません
しかしこの本には冒頭のアーユルヴェーダ総論の中で
人間として大切な節がたくさんあり、読み返すたびに新しい気づきがあり
毎回考えさせられます
出産経験は私にはありませんが
子供を持てなかった身としては
生命の尊さや生まれてくることの奇跡、
そして出産がっ決して当たり前ではないということを教えてくれる
大切な本なのです
そしてアーユルヴェーダでは産婦人科と小児科を分けません
無事に成長するまでの期間は出産した母体の健康状態や環境
もっと言えば男性の精子を育んだ
それまでの過ごした環境も大いに影響すると考えているからです
出産後の乳幼児を扱う際も、当たり前のように
着床以前までさかのぼって考えるのがアーユルヴェーダです
切り離して考えるのではなく「流れ」や「背景」を大切にする
その姿勢がとても好きです
人が一人誕生するということは
それだけ神秘的で大切に扱うべきもの
なのかもしれません
以下、古典を引用
幸福な生活とは
心身共に病んでいないこと 丈夫で活発に満ち勇敢で自信にあふれていること
感覚器官が強靭で知性に優れ、記憶力が良いこと
好きなことは何でも楽しめいつでもどこへでも思いのままに行動できる手段と自由を持っていること
有意義な生活を送る人とは
生活のために仕事をしている時も、好きなことをしている時も欲望や本能を自制することができ、真実を語り、善行の掟を守る聡明な人
現生だけでなく来世においてもなにが善かを常に考え、学問と瞑想に専念している人
年上や目上の人を敬う人、人に頼らず喜んで人を助け自分の富を分かち与える人、人の幸福を願いそのために働く人
少々現代にそぐわない表現はあれど、非常に繊細で本質的だと思いますね
現代の私たちは効率や成果を追い求める日々の中で
心身の声に耳を傾ける時間をどれだけ持てているでしょうか
SNSの「いいね」に一喜一憂するより、目の前の人を大切にできているでしょうか
人にとっての豊かさとは
ほんとうはどこにあるのでしょうか
お金や物を蓄えることに力を注ぐ一方で
「分かち合うことの喜び」を忘れていないでしょうか
アーユルヴェーダは、私たちが置き去りにしがちな
「内面的な豊かさ」――節度・尊敬・慈悲・分かち合い――
を私にいつも思い出させてくれます
便利さや快適さに囲まれた今だからこそ
古典が伝えるこの視点がいつも心に沁みます
ほんとうの幸福は、すでにあなたの内側にある
だから安心して笑っていられるし、愛する人を何度も赦すことができるのです
アーユルヴェーダとは、あなた自身を最も尊い存在として扱う知恵
人が人らしく、慈しみ合いながら生きる
その中心にはいつも人がいて自然と溶け合うやさしい世界があります
私は、そんなアーユルヴェーダの世界観が大好きです
つい、予防やエイジングといった華やかな側面に目が向きがちですが
人が本来持つ根源的な豊かさ、人を尊び、心を照らし
我が命を、人生を大切にすることをもっと理解したい
アーユルヴェーダの知恵は授かるものではなく
本来我々の中にすでに備わっているもの
純粋無垢な赤ちゃんの笑顔にみんなが癒されるように
私たちは皆、その叡智の真意を、愛を
感じ取れるスペックがあるということ
当たり前のことを当たり前とし無意識に通り過ぎるのではなく
その理由を、その感覚を
しっかりと受け取り、味わい尽くすことで
本当の豊かさは内側から湧いてくるものなのかもしれません
静かな時間 深い呼吸の時間を
どれだけ持てていますか
生き急いではいませんか
その根源的な智慧を通して、生き方に迷う方の心に
やわらかな光を届けられるアーユルヴェーダの真髄を
今後もお届けできたらと思います
本日もお読みいただきありがとうございます
あなたにとって心地よい一日に
なりますように
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